英国出身の現役キリスト教宣教師。モジュラー・シンセ伝道者。古代の啓示と現代のハーシュ・ノイズを織りまぜた混交物への集中探査によってパラダイムを打ち砕く、ソニック・タペストリー職人。2010年より東京を中心に活動する。アナログモジュラー機材を中心とした200回以上のライヴ・パフォーマンスをクラブやキリスト教会で展開。“Tokyo Festival of Modular”や”Heavier Than Jupiter”などのイベントを主催し、サイケデリック~ノイズ~アブストラクト──聖書とノイズの関係性を求め研究に邁進中(www.TheWordOnNoise.com)。
Various Artists Mutually Exclusive Music 2 SPF-014 ¥2,200 (税込) 2020年2月21日発売Elijah SPF-018 ¥2,200 (税込) 2020年2月21日発売
発信する新たな音響世界が国内外から注目を集めるモジュラーシンセ・パフォーマー/プロデューサー。“Tokyo Festival of Modular”を主催するほか、欧州から、北米、アジア各地でのフェス出演やワークショップを敢行。また「Greg Hunter」とのプロジェクトやギタリスト「SUGIZO」との共演、「Coppe’」のプロデュースなど、精力的に活動する。
Various Artists Mutually Exclusive Music 2 SPF-014 ¥2,200 (税込) 2020年2月21日発売
2012年にプロ・ドラマーを引退後、音響映像装置「DORAnome」を開発し活動再開。自作楽器を駆使して圧倒的な個性と世界観を表出。世界的な評価も高く各地のロックフェスやアートフェスなどで好評を博す。現在はモジュラーシステムによるレーザー、LEDコントロールのライブ・ワークショップを展開中。
Various Artists Mutually Exclusive Music SPF-008 ¥2,200 (税込) 2018年12月21日発売
1983年に”謎の少年楽団”としてカセットブック『チルドレン・クーデター』を発表して話題となったチルドレンクーデターの首謀者として、またボアダムスのオリジナルメンバーとして知られるなど、10代の頃から関西アンダーグラウンド・シーンで活動する美術/音楽家。
また、SKATING PEARSとペヨトル工房とが共同制作した『SOUND COSMODEL 音の宇宙模型』(1984年)やアルケミーからリリースされた『愛欲十二球団』(1990年)といったオムニバスに参加したり、F.M.N. Soundfactoryからアルバムを出したりと神出鬼没の活動を続けており、2014年にはチルドレンクーデター18年ぶりのアルバム『Fear of Liberty – 自由の恐怖』を自身のレーベル=HOSOI KOBOからリリースした。ベーシストとして、アーティストとして佐藤薫から全幅の信頼を得ており、EP-4の別働ユニット参加や佐藤薫絡みのサポートも多い。ソロ・アルバムとしては1991年に自主制作で発表した『GEORGIA!』以来、本作が実に27年ぶり2作目となる。
HOSOI Hisato BaBaQue: Un poco de miedo SPF-005¥2,200 (税込) 2018年09月21日発売
Radio ensembles Aiidaは、異色の女性パフォーマー“A.Mizuki”によるソロ・サウンド・ユニット。
複数のBCLラジオが偶然織り成す一期一会の受信音と、リレースイッチの電流制御などによって生まれるビート/グルーヴをコンダクトし、類を見ないサウンドスケープ的な音世界を紡ぐ。そのジャンルレスな独自の風景こそがラヂオデリアだ。これまでに、17年の「IN A ROOM」と同18年の「From ASIA」の“Radio Of The Day”シリーズ2作を発表。新作「by chance ≒ by choice」では、チャンス・オペレーションなどの手法で、偶然と意図の拮抗する新たなコンポジションにも取り組んでいる。
Radio ensembles Aiida FromASIA SPF-002 ¥2,200 (税込) 2018年2月18日発売Various Artists Allopoietic factor SPF-003 ¥2,200 (税込) 2018年6月15日発売Radio ensembles Aiida by chance ≒ by choice SPF-013 ¥2,200 (税込) 2019年10月11日発売
2020年第一弾。貪欲騒音機械を操る、グレイヴスタイル(宇川直宏+森田潤)/ギャルシッド/フューエルフォニック/デイヴ・スキッパー/ハタケン──5ユニットが参加。これこそモジュラーのダイバーシティだ。
你墜入騒音地獄──森田潤・法外監修!
2020年の第一弾にラインナップされたCDの1枚は、謎の匿名老嬢「アノニモ」のアルバム『il salone di anonimo』をリリースしたばかりの森田潤が、グレイヴスタイル(宇川直宏+森田潤)/ギャルシッド/フューエルフォニック/デイヴ・スキッパー/ハタケン──5ユニットの作品をまとめたモジュラーシンセのコンピCDアルバム。2018年リリースの『Mutually Exclusive Music』シリーズの続編だ。副題『Cohesion and Coupling of Modules(モジュールの凝集度と結合度について)』は、電子楽器のプログラミング/パッチングの相互排他的な抽象度による関係反転原理が、操作する者とその音楽作品としての効果/結果に及ぼすある種の仕掛け/ギミックのことだ。それは、前作のシニカルなエレクトロ・ビートの概念から、アンビエントやハーシュ・ノイズなどを包摂していく本作の編纂過程でもある。
BCLチューナーを抱えたラヂオデリックなパフォーマー「Radio ensembles Aiida」の新作が届いた。前2作のフィールド一発録音による偶然性の高い“音日記”的作風を発展させ、同様のフィールド音源から厳然とした意図によるコンポジションを施した作品などが加わったのが特徴だ。曲づくりの手法に独自のチャンス・オペレーションを導入したことで、聴く側の意識のあり方への問いかけが明確になっている。平成ラストデイ@DOMMUNEでの“φonon Radio Orchestra”ライヴ演奏も収録!
令和元年のトップを飾るリリースの1枚は、A.Mizuki のソロ・ユニットであるラヂオ Ensembles アイーダの「by chance ≒ by choice」。これまでに発表された「IN A ROOM」と「From ASIA」のRadio Of The Dayシリーズ2作に続くサード・アルバムだ。
前2作同様、BCLチューナー片手に訪れたタイ/アメリカ/日本──各地でのフィールド・レコーディング音源を素材としながらも、本作では、複数音源を恣意的にミックスしたり、サイコロをロールして出た数字による偶然の順番で並べてミックスしたりと、トラックごとに異なる脱々構築的な試みが成功している。従来の手法を深化~発展させ、仕掛けられた偶然と意図的/恣意的な選択とが限りなくイコールに近づこうとする空間に、脱構築と構築がせめぎ合う不確定的コンポジションが奇跡的に成立し、不可思議な時空を表出させる。意図と恣意と選択、選択は仕掛けられた偶然、偶然は選択された必然──と、リスナーに“人が何に価値を見いだすのか?”を問う、価値への挑戦とも言える意欲作だ。
なお、テンテンコ、佐藤薫、森田潤が参加し、時間指定された進行表でBCLラヂオを演奏した19年平成ラストデイ@DOMMUNEの“φonon Radio Orchestra”ライヴ演奏も収録している。
令和元年のトップを飾るCDリリースの1枚は、新時代のミュータント・ポップを体現するテンテンコによる「Deep & Moistures: The Best of Private Tracks」だ。自主レーベル(テンテン・レコーズ)から毎月発表してきたプライベート作品のCD-Rは、これまでに約50枚のコレクションを形成しているが、中でも15枚以上のシリーズとして人気の高い”Deep & Moistures”から選りすぐった13トラックに、未発表曲を加え全14トラックがコンパイルされたのが本アルバム。鋭い重工業ビートで脳髄に切り込んでくるかと思えば、鼓膜をスルーしたノイズで内臓を刺激したり、人懐こくキャッチーなリフで急所をくすぐる……。歌メインのテンテンコ名義作品やライヴとは異なる趣の収録曲たちは、カシオトーン、リング・モジュレーター、オシレーター、サンプラー、ポータブル・シンセ──などの機材を自ら操って作られ、自宅スタジオで録りためたトラック、ライヴやイベントのために制作した作品などから構成されている。テンテンコの、宅録とライヴの現場というスペースを自由に往き来する活動スタイルと、アーティストとしての柔軟な姿勢が表現された”一家に一枚”の決定盤だ!
2019年のトップを飾り、平成を締めくくるCDリリースの1枚は、臨済禅宗の現役僧侶によるソロプロジェクトHeteroduplex(ヘテロデュプレクス)のデビュー・アルバム「Without Words, Without Silence」だ。このタイトルは禅語の「離却語言(りきゃくごごん)」を表し、”言葉を発せず沈黙せずとも、離(主体)と微(客体)が一つになることは無い”の意。禅の公案では言葉を弄しあらゆる感覚器官から刺激を差し込み、体験と身体感覚に訴え悟りの契機へと仕向ける。本作は電子音を弄した公案であり、内向きの心地よさで世界への無関心を誘う潮流への禅的申し立てとも言えるだろう。Heteroduplexの核となるのは、’80年代よりサディサッズやニウバイルのギタリストとしての活動も続ける五十嵐義秀。マッシヴなビートに絡む繊細に歪んだギターワークが持ち味。1990年からの仏道修行で収集したフィールド・レコーディングをコラージュし、禅的視座に立った作曲・演奏と整合させるソロプロジェクトと同時に、ライヴでは変異導入を意図する即興的デュオ編成で、臨機応変に相方を変えながら演奏活動を行うという”二本鎖”コンセプトも期待される。