騒音書簡1-24

2024年2月29日 市田君 プルーストの「同じだが、違う」を見つけ出す絶妙さは、ほとんど無意志的であることを「装う」ように、突発的、あるいは、言ってみれば即興的(こちらは無意志的だ)にやって来るところにあるように思われ …

騒音書簡2-24

2024年2月29日 創士くん、ついでに森田くんにも、 ひょっとして、と思いつつひと月経ってしまった。ひょっとして森田版『レクイエム』が送られてくるのではないか、その感想がこちらからの書簡第24葉になるのではないか、そう …

騒音書簡2-23

2024年1月28日 市田さま 君にコルトレーン役を引き受けてほしかったのは、なにも君をコルトレーンのような精神的求道者にしたいわけではないし、君のことをまったくそう思ってもいないが、たまたまコルトレーンとドルフィーの話 …

騒音書簡1-23

2024年1月31日 創士くん、 観客として言わせてもらえば、演奏されているときにこそ、音楽は言語と見分けがたくなる、と思っている。客席からは、舞台上の君(たち)は自分(たち)と「語りあっている」ように見える。あるいはそ …

騒音書簡2-21

2023年11月28日 親愛なる良彦さま 「完全にってわけじゃない」けど、君が言うように、リズムが狂っている、あるいはリズムを狂わせるのは、自慢することではないが、僕のオハコかもしれない。いや、いや、もちろん自慢している …

騒音書簡1-22

2023年12月+28日 Mon camarade Yoshi, リスナーは怖い存在だけど、正直に言えば、敵に見えることがある。リスナーを憎んでいるわけではないよ。それならリスナー、観客とは、そもそも仮想敵なのか? だが …

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騒音書簡2-22
2023年12月28日 Sô-siへ、 僕がコルトレーン? 彼のことは、宗教的と思ったことはあれ哲学的と思ったことはないぞ。まあお前は隠れキリシタンだと言われたこともあるので、違いは微妙かもしれないが。それでも哲学的ジャ …

騒音書簡1-21

2023年11月29日 創士くん、 そう、リスナーは怖いよ。誉めるから。ライブ終わりに「最高!」なんて声をかけるのはまさに誉め殺しではあるまいか、とよく思う。そのときリスナーは自分がいかにお高くとまっているのか忘れている …

騒音書簡1-20

2023年10月29日 市田良彦さま バンド(EP-4 unitP)の「作品」がバンドそのものでしかないというのは、確かにそのとおりで、それがバンドの強みであり、「ハーモニー」であり、その「破綻」であり、スリルであると僕 …

騒音書簡2-20

2023年10月28日 レディース・アンド・ジェントルメン、 みなさんに向けて今回は書きます。前回の鈴木創士からの手紙は「まだ」私に宛てたものとは受け取れません。アルトーの言葉を自分のものとして私に届けているわけではなさ …

騒音書簡2-19

2023年9月25日 親愛なる市田君、 アルトーがヴァレーズとオペラを作ろうとしたのは、1932、3年頃だった。ヴァレーズの「Ionisation」も「Octandre」も作曲されていたが、レコードもないし、演奏会も稀だ …

騒音書簡1-19

2023年9月30日 創士くん、 森田潤と君の競作、 《Vita Nova》を聴きながらこれを書きはじめている。率直に言うが、これは「作品」として、EP-4 unitPのライブよりよほど面白いではないか。二つを比べること …

騒音書簡1-18

2023年8月31日 Mon cher ami, 君が言うように、「作品」とはゼロから出発してすべてをつくることであれば、「狂気=作品の不在」とはゼロから出発して「全て」をつくれないということになる。ところで、フーコーが …

騒音書簡2-18

2023年8月25日 鈴木創士兄、 アルトーとヴァレーズの話は、以前、貴兄の文章で読んだ記憶がある。そのときにも思ったが、アルトーはヴァレーズの特にどの曲にどのように惹かれたのだろう。文献的には知りようないかもしれないが …

騒音書簡2-17

2023年7月28日 親愛なる市田君、 アントナン・アルトー。ひとつの名前。単純にして同時に複雑な署名。僕が最初に書いた本は、『アントナン・アルトーの帰還』だった。小説仕立てだったが、監禁されていた精神病院を退院して、ア …

騒音書簡1-17

2023年7月29日 Cher Sô-si, 「言葉」は「作品の不在」と同時的なのだろうか、と君は書いた。少し腑分けが必要かと思う。まず「作品の不在」について。この表現を有名にしたのはフーコーの「狂気、作品の不在」という …

騒音書簡1-16

2023年6月28日 良彦さま、 我々の聴覚体系に入り込んだ「隠された歌」はまだ言語ではないかもしれない。この歌は僕にとって「言葉」を伴っているのか、あるいは「言葉」そのものであるのかどうかいまだ確信がもてないと僕は言っ …

騒音書簡2-16

2023年6月28日 創士くん、 せっかくだからアルトーに託けた話をもう少しだけ。君の音作りに一定親しみ、君の小説を読み、また「偽の古典主義者」だという君の自己規定を知るにつけ、常々考え込んでしまう問いがある。これのどこ …

騒音書簡1−15

2023年5月26日 So-siくん、 ひょっとして君は、言語がなくても音楽はある、と考えているのだろうか。「音楽を聞いたことがない状態を想像できない」とはそういうこと?「我々の聴覚の体系」に入り込んだ「隠された歌」は言 …

騒音書簡1−14

2023年4月30日 学兄どの、 前回の君の手紙を理解できているかどうか、はなはだ心もとないが、思いついたことを書いてみる。 君が最後に引用したドルフィーの発言、「音楽はいったん終われば空中に去ってしまう。二度とそれを捕 …

まとめ220321

2022年3月21日 市田良彦さま ひどい空音に襲来されていた時期がある。空襲警報が鳴り響いた。カチカチ山が騒音に包まれ、ケツに火がついたみたいだった。まことの耳鳴りだったが、それは空耳と区別がつかないていのものだと感じ …

騒音書簡2−15

2023年5月21日 親愛なる市田 前回の君の手紙に答えるべきことが色々あるようだ。 無関係のあり方も千差万別。僕は勝手にその一つをアラン・バディウ風に「非-関係」と呼んでいる。サルトルの話はすごく腑に落ちるし、怒るどこ …

まとめ220328

2022年3月28日 鈴木創士 殿 創士に公開で手紙を書け、と佐藤薫から。あいつはもう最初の手紙を書いているらしい。おれはまだそれを読んでおらず、まさに今、おれからの最初の手紙を書きはじめている。レーベルのサイトを介した …

騒音書簡2−14

2023年4月30日 鈴木創士殿、 もうすぐ「5・21」40周年ライブなんだね。その機会に君が、別働隊unit PとはいえEP-4にヴォーカルを入れるとは嬉しいニュース(にしてもPって何?)。たまたまマーク・スチュアート …

騒音書簡1-13

2023年3月28日 創士兄、 「ボードレールの世界」はあるが「マラルメの世界」はない、か。その通りだと思う。しかし自分の理解がちょっと常識的文化史にもたれすぎているかも、と危惧するから、擦り合わせのためにその理解を疑問 …

騒音書簡2-13

2023年3月31日 Mon camarade 僕も音楽と言葉の通常の合体には耐えられない。まあ、他人がうたっている歌を聞くとき、僕はほぼ言葉の意味を無視する、というか耳にほとんど入ってこないから、別にそれほど嫌悪感はな …

Shigeki Ieguchi

家口成樹
PARA、EP-4 [ fn.ψ ] 、Singū-IEGUTIのシンセサイザー、キーボード奏者。90年代初めよりヘヴィサイケデリックロックバンド、花電車のメンバーとして音楽活動を開始。 シンセサイザー、PC、エフェクタ …