騒音書簡1-25

2024年3月30日 森田くん、ついでに創士くんにも、、 ブハハ、思わず吹いてしまったよ。送られてきた森田版『レクイエム』のジャケ写を見たときには。前回書いてしまったことの残響-残像なのか、『昭和歌謡大全』? はたまた『 …

騒音書簡1-24

2024年2月29日 市田君 プルーストの「同じだが、違う」を見つけ出す絶妙さは、ほとんど無意志的であることを「装う」ように、突発的、あるいは、言ってみれば即興的(こちらは無意志的だ)にやって来るところにあるように思われ …

騒音書簡1-23

2024年1月31日 創士くん、 観客として言わせてもらえば、演奏されているときにこそ、音楽は言語と見分けがたくなる、と思っている。客席からは、舞台上の君(たち)は自分(たち)と「語りあっている」ように見える。あるいはそ …

騒音書簡1-22

2023年12月+28日 Mon camarade Yoshi, リスナーは怖い存在だけど、正直に言えば、敵に見えることがある。リスナーを憎んでいるわけではないよ。それならリスナー、観客とは、そもそも仮想敵なのか? だが …

騒音書簡1-21

2023年11月29日 創士くん、 そう、リスナーは怖いよ。誉めるから。ライブ終わりに「最高!」なんて声をかけるのはまさに誉め殺しではあるまいか、とよく思う。そのときリスナーは自分がいかにお高くとまっているのか忘れている …

騒音書簡1-20

2023年10月29日 市田良彦さま バンド(EP-4 unitP)の「作品」がバンドそのものでしかないというのは、確かにそのとおりで、それがバンドの強みであり、「ハーモニー」であり、その「破綻」であり、スリルであると僕 …

騒音書簡1-19

2023年9月30日 創士くん、 森田潤と君の競作、 《Vita Nova》を聴きながらこれを書きはじめている。率直に言うが、これは「作品」として、EP-4 unitPのライブよりよほど面白いではないか。二つを比べること …

騒音書簡1-18

2023年8月31日 Mon cher ami, 君が言うように、「作品」とはゼロから出発してすべてをつくることであれば、「狂気=作品の不在」とはゼロから出発して「全て」をつくれないということになる。ところで、フーコーが …

騒音書簡1-17

2023年7月29日 Cher Sô-si, 「言葉」は「作品の不在」と同時的なのだろうか、と君は書いた。少し腑分けが必要かと思う。まず「作品の不在」について。この表現を有名にしたのはフーコーの「狂気、作品の不在」という …

騒音書簡1-16

2023年6月28日 良彦さま、 我々の聴覚体系に入り込んだ「隠された歌」はまだ言語ではないかもしれない。この歌は僕にとって「言葉」を伴っているのか、あるいは「言葉」そのものであるのかどうかいまだ確信がもてないと僕は言っ …

騒音書簡1−15

2023年5月26日 So-siくん、 ひょっとして君は、言語がなくても音楽はある、と考えているのだろうか。「音楽を聞いたことがない状態を想像できない」とはそういうこと?「我々の聴覚の体系」に入り込んだ「隠された歌」は言 …

騒音書簡1−14

2023年4月30日 学兄どの、 前回の君の手紙を理解できているかどうか、はなはだ心もとないが、思いついたことを書いてみる。 君が最後に引用したドルフィーの発言、「音楽はいったん終われば空中に去ってしまう。二度とそれを捕 …

まとめ220328

2022年3月28日 鈴木創士 殿 創士に公開で手紙を書け、と佐藤薫から。あいつはもう最初の手紙を書いているらしい。おれはまだそれを読んでおらず、まさに今、おれからの最初の手紙を書きはじめている。レーベルのサイトを介した …

騒音書簡1-13

2023年3月28日 創士兄、 「ボードレールの世界」はあるが「マラルメの世界」はない、か。その通りだと思う。しかし自分の理解がちょっと常識的文化史にもたれすぎているかも、と危惧するから、擦り合わせのためにその理解を疑問 …

騒音書簡1-12

2023年2月28日 市田君 「勝手に死ぬことは許されない」かよ。勝手に死ぬのは難しい。勝手気ままな性癖は一生をふいにしたかもしれないな。 ところで、君があとがきを書いた岡崎次郎『マルクスに凭れて六十年』(航思社)を読み …

騒音書簡1-11

2023年1月30日 創士へ、 勝手に死ぬことは許されない、と心得よ。一旦共演をはじめてしまったからには、それが音楽であろうと手紙の応酬であろうと。自然死であろうが勝手な離脱は「はじめる」という黙契に反する。どう終えてよ …

騒音書簡1-10

2022年12月31日 市田お兄さん 終わりはなかなか来ないようだ。サド侯爵の言い方を借りれば、共和主義者たらんとせば、終わりまであと一歩だ。今日は大晦日だし、世界の終わりが元旦の時報とともにやって来るならすっきりするだ …

騒音書簡1-9

2022年11月29日 Sô-siくん、 「ラリーズのコンサートをやって西部講堂を燃やす」。あの放言は俺としてはものごとの「終わり」という問題に関わっていた。この「騒音書簡」の最初のほうで書き、ある意味ずっとそのフィード …

騒音書簡1-8

2022年10月30日 Mon cher ami, 友人同士の手紙のやりとりというのは、そもそも変な感じがするし、恣意的にやればやるほど、やりにくいところがあるのもわかってきた。まあ、嫌いな奴との往復書簡というのも考えに …

騒音書簡1-7

2022年9月29日 Cher Sô-si, 裸のラリーズなぁ。水谷さんが亡くなり色々と再発されているし、なにか書いておくべきタイミングなんだろうと思う。しかし、これは直接言ったかと思うが、水谷孝と裸のラリーズについて今 …

騒音書簡1-06

2022年8月29日 良彦さま 前回の手紙の君の意見に賛成だ。この前のEP-4 unitP+佐藤薫+山本精一の大阪ライブだが、佐藤薫には、シンセは横に置いて、ど真ん中のスタンドマイクの前に立っていてもらいたかった。昔のよ …

騒音書簡1-05

2022年7月30日 鈴木創士へ、 なるべく毎回、宛名の書き方を変えようと思っているのだが、ついに呼び捨てか? いや、そういうわけではない。今回の手紙は「鈴木創士」と名乗っている作家・音楽家に宛てているつもりである。同じ …

騒音書簡1-04

騒音書簡第4回
2022年6月28日 親愛なる市田君、 君が言うように哲学は存在しなかったかもしれないから、君は哲学者になったんだろ? なるほど哲学も文学もどうでもいいと僕も思っている。フーコーの有名な言葉、「別の仕方で思考すること」が …

騒音書簡1-03

騒音書簡第3回
2022年5月28日 鈴木創士兄、 おかしなことになっている。佐藤薫の仕掛けがさっそく効果を発揮している。貴兄からの2通目の手紙を読みながら、そう思わずにいられなかった。我々はそれぞれのn通目の手紙をφononのサイト上 …

騒音書簡 1-02

騒音書簡
2022年4月29日 親愛なる市田君 君の言うように「最初の一文はむつかしい」。それどころか、それを書いた後、振り返ると最初の一文は透明になっている。消えている。「最初の一文」としてそれを書いたのか確信が持てない。セロニ …

騒音書簡 1-01

騒音書簡
2022年3月28日 鈴木創士 殿 創士に公開で手紙を書け、と佐藤薫から。あいつはもう最初の手紙を書いているらしい。おれはまだそれを読んでおらず、まさに今、おれからの最初の手紙を書きはじめている。レーベルのサイトを介した …